50代の再婚で後悔しないための「お金と相続」の話|入籍か事実婚か?賢い選択の基準


50代での再婚は、人生の後半戦を共に歩むパートナーを得る素晴らしい決断です。精神的な安らぎや日々の充実感は何物にも代えがたいものですが、大人世代の再婚には若い頃にはなかった「現実的な課題」が密接に関わってきます。

特に、これまでの人生で築き上げてきた資産、家、そして将来の年金や相続の問題は、避けては通れない非常にデリケートなテーマです。幸せになるための選択が、後に自分や子どもたちの負担になってしまっては本末転倒です。

この記事では、50代の再婚において最も重要な「お金と相続」の観点から、法律婚(入籍)と事実婚のどちらを選ぶべきか、その判断基準を具体的に解説します。


なぜ50代の再婚でお金の話が重要なのか

20代や30代の結婚と違い、50代はすでに「経済的な基盤」が完成しつつある時期です。

  • 所有資産の違い: どちらかが持ち家を持っていたり、預貯金額に大きな差があったりすることが一般的です。

  • 相続人の存在: 以前の結婚で子どもがいる場合、再婚によってその子どもの相続権に影響が及びます。

  • 老後資金の設計: 退職金や年金の受給が間近に迫っており、生活設計が直結します。

これらの要素が複雑に絡み合うため、感情だけで突き進むと、後に親族間でのトラブルに発展するリスクが高まります。


「法律婚(入籍)」のメリットと経済的リスク

婚姻届を提出し、法律上の夫婦になることは、社会的な信用や保障を得る上で大きな利点があります。

メリット:強力な法的保障

  1. 配偶者控除と税制優遇: 所得税の配偶者控除や、相続税の「配偶者の税額軽減」が受けられます。相続税に関しては、1億6,000万円または法定相続分までが非課税になるため、資産を守る上で非常に有利です。

  2. 遺族年金の受給権: 万が一パートナーが亡くなった際、遺族年金を受け取る権利が発生します。

  3. 法定相続人としての権利: 相手の遺産の2分の1(子どもがいる場合)を相続する権利が保証されます。

リスク:親族トラブルの火種

  1. 連れ子との相続争い: あなたが亡くなった際、新しい配偶者とあなたの実子が遺産を分け合うことになります。これが原因で、長年連れ添った実子との関係が悪化するケースが少なくありません。

  2. 介護の期待と負担: 法律上の親族となることで、相手の親の介護などに対する事実上の期待や義務感が生じることがあります。


「事実婚(事実上の夫婦)」のメリットと経済的制限

あえて入籍せず、住民票などで「未届の妻(夫)」とする形を選ぶカップルも増えています。

メリット:自由度と独立性の維持

  1. 相続関係が変わらない: 法律上の夫婦ではないため、お互いの相続権が発生しません。自分の資産を確実に実子に残したい場合に有効です。

  2. 名字を変える必要がない: 仕事や私生活での名義変更の手間がなく、これまでのアイデンティティを維持できます。

  3. 親族関係がシンプル: 相手の家系に深く入り込む必要がないため、心理的なハードルが低くなります。

リスク:保障の脆弱さ

  1. 相続税の優遇がない: 事実婚の場合、遺言で遺産を譲ることは可能ですが、配偶者控除が適用されないため、高額な相続税がかかる可能性があります。

  2. 手術の同意などの壁: 医療現場で「家族」として認められず、緊急時の意思決定に支障が出る場合があります(※近年は改善傾向にありますが、事前確認が必要です)。


後悔しないための「3つの判断基準」

どちらの形が正解ということはありません。以下の3つの基準をパートナーと照らし合わせてみてください。

1. 「誰に資産を残したいか」を明確にする

もし「前の配偶者との間の子どもに、今の自宅をそのまま残したい」と強く願うのであれば、事実婚、あるいは法律婚をした上で「遺言書」を完璧に作成しておく必要があります。

2. 「生活水準のバランス」を考える

二人の収入や資産に大きな開きがある場合、法律婚をして「扶養」や「税制優遇」の恩恵を受ける方が、世帯全体のキャッシュフローが良くなることが多いです。

3. 「介護と看取り」の覚悟を話し合う

最後まで添い遂げる決意がある場合、法律上の配偶者である方が、公的な手続きや医療上の判断においてスムーズです。逆に、互いに自立した関係を望むなら事実婚が適しています。


トラブルを未然に防ぐ「大人の準備」

どちらの道を選んでも、以下の準備をしておくことで後悔の多くを回避できます。

  • 資産の棚卸し: 借金を含め、現在の資産状況を正直に共有する。

  • 公正証書の作成: 事実婚であっても、生活費の分担や解消時のルール、遺贈(遺言による譲渡)について公正証書にしておくと安心です。

  • 子どもへの説明: 再婚の意思を伝える際、お金や相続についても「こう考えているから安心してほしい」と透明性を持って伝えることが、将来の円満な関係を築きます。


まとめ:自分たちらしい「幸せの形」を

50代の再婚は、若さゆえの勢いだけでなく、大人の分別のうえに成り立つ「成熟した契約」でもあります。

お金の話をすることは、決して相手を疑うことではありません。むしろ、お互いと、お互いの大切な家族を守るための「究極の思いやり」です。

入籍という形をとって手厚い保障を受けるのか、事実婚という形をとって自由と独立を保つのか。二人の価値観が一致するポイントをじっくり話し合ってみてください。しっかりとした土台の上に築かれた関係は、何よりも強く、あなたに本当の安らぎをもたらしてくれるはずです。

「これから先、どんな毎日を過ごしたいか」という理想をベースに、賢い選択をしていきましょう。


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