養育費を払い続けるのが苦しい…正当に減額が認められる5つのケースと手続きを解説


離婚時に決めた養育費。当時は「子供のためなら」と納得して決めた金額でも、その後の人生で状況が変わることは珍しくありません。

「リストラで収入が激減してしまった」「再婚して新しい家族ができた」「病気で働けなくなった」など、支払いを続けることが自分自身の生活を脅かすほど苦しくなったとき、無理をして払い続けることは共倒れのリスクを生みます。

養育費は一度決めたら絶対に変えられないものではありません。法律上、正当な理由があれば**「減額」**を求める権利が認められています。この記事では、減額が認められる具体的なケースと、スムーズに手続きを進めるための流れを詳しく解説します。


養育費の減額が認められる「事情の変更」とは?

養育費の減額を請求するためには、離婚時には予測できなかった**「事情の変更」**があることが条件となります。単に「生活が苦しいから」という主観的な理由だけでは不十分で、客観的な事実が必要です。

具体的にどのようなケースで減額が認められやすいのか、代表的な5つのパターンを見ていきましょう。


正当に減額が認められる5つのケース

1. 支払う側の収入が大幅に減少した

リストラによる失業、勤務先の倒産、病気や怪我による長期療養など、自分の意思とは関係なく収入が著しく減った場合です。ただし、減額を逃れるために意図的に仕事を辞めたり、転職して年収を下げたりした場合は認められない傾向にあります。

2. 支払う側が再婚し、扶養家族が増えた

自身が再婚し、新しい配偶者を扶養に入れる場合や、再婚相手との間に子供が生まれた場合です。あなたには「新しい家族」を養う義務も生じるため、元配偶者との間の子供に充てる養育費の配分を調整(減額)することが法的に認められます。

3. 受け取る側が再婚し、子供が養子縁組をした

元配偶者が再婚し、子供がその再婚相手と「養子縁組」をしたケースです。これにより、再婚相手が子供の第一次的な扶養義務者となるため、あなたの支払う養育費は大幅に減額、あるいは免除(ゼロ)される可能性が非常に高くなります。

4. 受け取る側の収入が大幅に増加した

元配偶者が就職して高収入を得るようになった、あるいは実家からの多額の援助を受けるようになったなど、受け取る側の経済力が向上した場合です。双方の収入バランスをもとに計算し直すことで、減額が認められます。

5. 子供が自立した(成人前でも)

子供が高校を卒業して就職し、自分の力で生活できる収入を得るようになった場合、成人(18歳)に達していなくても養育費の支払い義務が終了、または減額されることがあります。


減額を成功させるための手続きステップ

「苦しいから」といって、独断で振り込み金額を減らしたり停止したりするのは絶対に避けてください。強制執行(差し押さえ)を受けるリスクがあるため、必ず法的な手順を踏みましょう。

手順①:相手との話し合い(協議)

まずは元配偶者に現在の状況を説明し、減額の相談を持ちかけます。

  • 「収入証明書」などを見せて、支払いが困難な現状を誠実に伝えます。

  • 合意できれば、後のトラブルを防ぐために**「合意書(公正証書が望ましい)」**を作成します。

手順②:養育費減額請求調停の申し立て

話し合いで拒否されたり、連絡が取れなかったりする場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。

裁判所の調停委員が双方の間に入り、客観的な資料(源泉徴収票や確定申告書など)をもとに、現在の適正な金額を算出・提案してくれます。

手順③:審判

調停でも合意に至らない場合、自動的に「審判」へと移行します。裁判官が双方の事情を一切考慮し、法的な判断として減額の可否と金額を決定します。


減額請求を行う際の注意点

  • 早めの行動が肝心: 減額が認められるのは、一般的に「調停を申し立てた月」以降の分からです。過去に遡って「払いすぎた分を返して」と言うことは難しいため、支払いが苦しくなったらすぐに動く必要があります。

  • 「算定表」を確認する: 裁判所が公開している「養育費算定表」を使って、現在の自分と相手の年収ならいくらが妥当なのかを事前にシミュレーションしておきましょう。


まとめ

養育費は子供のための大切なお金ですが、支払う側の生活が破綻してしまっては元も子もありません。社会情勢や家族構成の変化によって、適切な金額も変わるのが当然です。

もし今、支払いが大きな負担になっているのであれば、法的なルールに則って正当に金額を見直すことを検討してみてください。それが結果として、無理のない継続的な支援につながり、お互いの人生を安定させることにもなります。


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