同じ人と再婚したら「バツ」は消える?戸籍の表記と復縁再婚のリアルな対策
「一度は離婚したけれど、やっぱりこの人しかいない」と決意して再婚へ。そんな素敵な門出の前に、ふと気になるのが**「戸籍のバツ(離婚歴)はどうなるの?」**ということではないでしょうか。
「同じ人と再婚すれば、離婚の事実はなかったことになるのでは?」と期待する声も聞かれますが、実は日本の戸籍制度には独自のルールがあります。
今回は、再婚を検討している方に向けて、戸籍の仕組みから、高額な費用をかけずにスムーズに手続きを進める方法、そして再婚後の幸せを維持するためのヒントを、専門的な視点から柔らかくお伝えします。
1. 【結論】同じ人と再婚しても「バツ」は消えない?
結論から申し上げますと、同じ相手と再婚したとしても、過去の離婚歴が自動的に抹消されることはありません。
戸籍は、その人の身分関係(出生、婚姻、離婚、死亡など)を時系列で記録する公的な帳簿です。「離婚した」という事実と「再婚した」という事実は、たとえ相手が同一人物であっても、それぞれ別の出来事として記録されるのが原則です。
戸籍謄本にはどう記載される?
一般的な戸籍の記載の流れは以下のようになります。
最初の結婚: 婚姻の記録
離婚: 離婚の記録(ここで名前の横に「除籍」の印がつき、いわゆる「バツ」の状態になります)
同じ相手と再婚: 新たな婚姻の記録
つまり、一度ついた「離婚」という文字の上にバツ印や除籍の記録が残ったまま、その下に新しく「再婚」の記録が書き加えられるイメージです。
2. 戸籍を「綺麗」にする方法は存在するのか
「どうしても離婚歴を目立たせたくない」という方のために、実務上で検討される方法がいくつかあります。ただし、これらは「記録を消す」のではなく「見え方を変える」手法です。
本籍地の転籍(引越し)
本籍地を別の市区町村に移す「転籍」を行うと、新しい戸籍が作られます。この際、新しい戸籍には**「現在有効な事項」**のみが移記されるのが原則です。
移る内容: 現在の婚姻関係、現在の氏名など
移らない内容: 過去の離婚歴、除籍された子供の情報など
ただし、転籍をしても「除籍謄本(古い戸籍)」を遡れば、過去の履歴はすべて判明します。完全に消去することは制度上不可能です。
婚姻による新戸籍の編製
離婚後、一度親の戸籍に戻ったり(復籍)、自分一人を筆頭者とする新しい戸籍を作ったりした後に再婚する場合、再婚によってまた新しい戸籍が作られます。このステップを踏むことで、最新の戸籍上には離婚歴が表示されない状態にできる場合があります。
3. 「同じ人と再婚」のメリットと法的な注意点
実は、全くの別人と再婚するよりも、同じ人と再婚する(復縁婚)方が、手続きや感情面でスムーズな部分が多いのも事実です。
再婚禁止期間(待婚期間)の特例
民法では、女性の再婚について一定の禁止期間が設けられていますが、「前夫と同じ相手と再婚する場合」はこの期間の制限を受けません。 離婚届を出した翌日に再婚届を出すことも法律上可能です。
名字(姓)の変更ストレスが少ない
離婚時に名字を戻さなかった(婚氏続称)場合、再婚しても名字が変わらないため、免許証や銀行口座の名義変更といった煩雑な手続きを最小限に抑えられます。
広告や金融審査への影響は?
「バツがついているとローンが通りにくいのでは?」という不安を耳にしますが、住宅ローンの審査やクレジットカードの審査において、戸籍の離婚歴そのものが直接的なマイナス要因になることは稀です。それよりも、現在の世帯収入や居住形態、勤続年数が重視されます。
4. 収益・生活を守るための「再婚準備」チェックリスト
再婚は単なる感情の復活ではなく、生活の再構築です。将来的な資産形成やトラブル回避のために、以下のポイントを押さえておきましょう。
① 過去の離婚原因の徹底解決
同じ相手と再婚する場合、もっとも注意すべきは「なぜ一度別れたのか」という点です。
金銭トラブル: 借金や浪費癖は改善されているか?
親族問題: 義実家との距離感は調整できているか?
生活習慣: 協力して家事・育児ができる体制か?
② 共有財産の整理
一度目の婚姻期間に築いた財産と、再婚後に築く財産を明確に区別しておくことが大切です。万が一に備えるだけでなく、お互いの信頼関係を強めるための「見える化」を推奨します。
③ 子供への説明とケア
もしお子さんがいる場合、大人の都合で「籍を入れたり抜いたり」することに戸惑いを感じるケースがあります。戸籍上の表記よりも、子供の心理的な安定を最優先に考え、丁寧な説明を心がけましょう。
5. 専門家が教える「賢い再婚」のコツ
再婚を機に、家計の最適化を図る絶好のチャンスです。
生命保険の見直し: 受取人の変更や、保障内容の重複をチェックしましょう。
控除の活用: 配偶者控除や扶養控除など、税金面でのメリットを最大限に享受できるよう、勤務先への届け出を忘れずに。
公正証書の検討: 「同じ過ちを繰り返さない」という決意を込めて、夫婦間のルールを契約書形式で残すカップルも増えています。
まとめ:戸籍の文字よりも「これからの絆」
同じ人と再婚しても、戸籍から過去の履歴が魔法のように消えるわけではありません。しかし、それは**「二人が一度離れ、それでもなおお互いを選んだ」という強い絆の証明**でもあります。
「バツ」という言葉にネガティブな印象を持つ必要はありません。現代では多様な家族の形が認められており、復縁再婚は「お互いを深く理解し直した、より強固な関係」としてポジティブに捉えられることが多いのです。
戸籍の形式にこだわりすぎず、新しく始まる生活をいかに豊かに、そして経済的にも安定したものにするかに注力していきましょう。