再婚相手に前妻の子がいる場合の相続トラブル対策|自宅や預貯金を守る遺言書の重要性
「今の家は、私と夫で協力して手に入れたもの。でも、もし夫に万が一のことがあったら、前妻の子供にこの家を明け渡さなければならないの?」
再婚相手に前妻との子供がいる場合、将来必ず直面するのが「相続」の問題です。たとえ何十年も交流がなかったとしても、前妻の子は法律上の「第一順位の相続人」であり、あなたと同じように相続権を持っています。
何の対策もしていないと、大切な自宅や預貯金が分割の対象となり、最悪の場合、住み慣れた家を手放さざるを得ない事態に陥ることもあります。この記事では、今の生活とあなたの権利を守るための具体的な相続トラブル対策を詳しく解説します。
なぜ「前妻の子」との相続はトラブルになりやすいのか?
再婚家庭(ステップファミリー)の相続が複雑になる最大の理由は、法律で定められた「法定相続分」にあります。
法定相続分のルール
夫が亡くなった場合、配偶者であるあなたは2分の1、子供たちが残りの2分の1を分け合います。このとき、子供が「前妻の子」であっても「現在の妻(あなた)との子」であっても、相続分は全く同じです。
起こりうるリスク
自宅の分割問題: 財産のほとんどが自宅(不動産)である場合、前妻の子から「自分の持分をお金で払ってほしい(代償分割)」と要求されると、手元に現金がなければ家を売却して捻出するしかありません。
連絡が取れない: 遺産分割協議は、相続人「全員」の同意が必要です。前妻の子と連絡が取れなかったり、感情的な対立から話し合いが拒否されたりすると、名義変更の手続きさえ進められなくなります。
財産を守るための最強の手段「遺言書」
こうしたトラブルを未然に防ぐために、最も有効なのが遺言書の作成です。遺言書があれば、原則としてその内容に従って財産が引き継がれるため、遺産分割協議をスキップすることができます。
1. 公正証書遺言を作成する
遺言書には自分でおこす「自筆証書遺言」もありますが、再婚家庭では必ず「公正証書遺言」を選んでください。公証役場で専門家が作成するため形式の不備で無効になるリスクがなく、原本が役場に保管されるため紛失や改ざんの心配もありません。
2. 「遺留分」への配慮
法律には、相続人に最低限保障された取り分である「遺留分」があります。遺言書で「すべての財産を妻に譲る」と書いても、前妻の子が遺留分を請求(遺留分侵害額請求)すれば、一定の現金を支払わなければなりません。
最初から遺留分相当の現金を準備しておくか、生命保険を活用して受取人をあなたに指定しておくことで、スムーズな解決が可能になります。
自宅を守るための「配偶者居住権」の活用
2020年から始まった新しい制度「配偶者居住権」も、あなたを守る大きな味方です。
これは、自宅の所有権が子供(前妻の子など)に移ったとしても、あなたが「亡くなるまでその家に住み続けられる権利」を認めるものです。所有権と居住権を分けることで、遺留分の問題をクリアしつつ、住まいを確保しやすくなります。この権利を設定するためにも、遺言書にその旨を記載しておくことが推奨されます。
生命保険を活用した「現金の準備」
前妻の子への遺留分対策として最も実効性が高いのが、生命保険です。
受取人を現在の妻(あなた)に指定: 生命保険金は「受取人固有の財産」とみなされ、原則として遺産分割の対象外です。
代償金の原資にする: 前妻の子から遺留分を請求された際、受け取った保険金から支払うことで、自宅を売却せずに守ることができます。
対策を始めるタイミングは「今」
相続対策は、本人が健康で判断能力がしっかりしているうちにしかできません。
財産の棚卸し: 自宅の価値や預貯金の額を把握する。
夫との話し合い: 「あなたを守りたい」という夫の意思を確認する。
専門家(弁護士・行政書士・税理士)への相談: 家族構成に合わせた最適な遺言内容を設計する。
まとめ:備えがあれば不安は解消できる
養育費の支払いがある夫との生活において、相続は重いテーマかもしれません。しかし、法的な準備をしておけば、前妻の子との直接的な争いを避け、あなたのこれからの人生を守ることができます。
遺言書は「死の準備」ではなく、残されるあなたへの「最後の手紙であり、愛の証」です。夫婦で手を取り合い、安心して暮らせる未来のために、まずは一歩、専門家への相談から始めてみてはいかがでしょうか。
養育費を支払っている男性との再婚で後悔しないための全知識!お金と心の不安を解消する具体策