シーリングライトが取り付けできない天井ってどんな天井? 意外と知らない設置の落とし穴
お部屋の雰囲気を手軽に変えられるシーリングライトは、引掛シーリングや引掛埋込ローゼットがあれば、DIYで簡単に取り付けられる便利な照明器具です。しかし、実はどんな天井にも取り付けられるわけではありません。
せっかく気に入ったシーリングライトを買ったのに、いざ取り付けようとしたら「あれ?うちの天井には合わない…」なんてことになったら悲しいですよね。
この記事では、シーリングライトが取り付けできない、または取り付けに注意が必要な天井の種類や特徴を詳しく解説します。購入前に自宅の天井をしっかりチェックして、後悔のない照明選びをしましょう!
シーリングライトが取り付けできない、または注意が必要な天井のタイプ
シーリングライトは、基本的に「水平で平らな天井」に密着させて取り付けるように設計されています。そのため、以下のような天井には取り付けられない、または専門業者による工事が必要になる場合があります。
1. 傾斜のある天井(傾斜天井・勾配天井・船底天井など)
最も一般的なのが、水平ではない傾斜のある天井です。
- 傾斜天井・勾配天井: 屋根の勾配に沿って斜めになっている天井です。天井にぴったりと取り付けるシーリングライトは、この傾斜に対応していません。無理に取り付けようとすると、器具が斜めになったり、落下のリそれがあります。
- 船底天井: 中央部分が船底のように直線状に高くなっている天井です。こちらも部分的に傾斜があるため、シーリングライトの取り付けは困難です。
- なぜ取り付けられないのか? シーリングライトは天井に「面」で固定することを前提としているため、傾斜があると密着せず、ぐらついたり、光の広がりが均一でなくなったりします。
【解決策】 傾斜天井対応のシーリングライトや、ペンダントライト、ダウンライト、スポットライトなど、傾斜に対応した別のタイプの照明器具を検討しましょう。
2. 凹凸のある天井(竿縁天井・格子天井など)
天井面に凹凸があると、シーリングライトを平らな状態で取り付けることができません。
- 竿縁天井(さおぶちてんじょう): 和室によく見られる天井で、天井板を支える細い木材(竿縁)が等間隔で通っています。この竿縁が邪魔をして、シーリングライトを密着させることができません。
- 注意点: シーリングライトによっては、竿縁天井に対応した専用アダプターが別売されているものもあります。購入前に必ず確認しましょう。
- 格子天井: 格子状に木材が組んである天井です。竿縁天井と同様に凹凸があるため、そのままでは取り付けが困難です。
- なぜ取り付けられないのか? シーリングライトの本体が凹凸部分に干渉したり、しっかりと固定できなかったりするため、落下のリスクや不具合の原因となります。
【解決策】 竿縁天井対応アダプターの有無を確認するか、引っ掛けシーリングに直接取り付けるタイプのペンダントライトや、スタンドライトなどを検討しましょう。
3. 配線器具に問題がある天井
シーリングライトを取り付けるための「引掛シーリング」や「引掛埋込ローゼット」といった配線器具に問題がある場合も、取り付けできません。
- 配線器具がない: そもそも天井に引掛シーリングやローゼットが設置されていない場合は、電気工事士による設置工事が必要です。コンクリート製や金属製の天井で配線器具が設置されていないケースも該当します。
- 配線器具が破損している・グラついている: 長年の使用で配線器具が劣化していたり、ぐらついていたりする場合は、危険なので取り付けできません。
- 配線器具の「出しろ」が短い: 引掛シーリングやローゼットが天井から飛び出している部分(出しろ)が短すぎる場合も、取り付けられないことがあります。シーリングは約22mm、ローゼットは約11mmが一般的ですが、器具によっては必要な出しろの長さが異なります。
- なぜ取り付けられないのか? 安全に照明器具を固定し、通電させるための土台が不安定だったり、不十分だったりすると、感電や火災、器具の落下事故に繋がるためです。
【解決策】 これらの場合は、必ず電気工事士の資格を持つ専門業者に相談し、配線器具の設置や交換を依頼してください。
4. 天井の強度が弱い・たわむ天井
見た目は平らでも、天井材の強度が弱く、簡単にたわんでしまうような天井には、シーリングライトを取り付けない方が安全です。
- なぜ取り付けられないのか? シーリングライトの重さに天井が耐えきれず、落下する危険性があるためです。特に大型のシーリングライトは重さがあるので注意が必要です。
【解決策】 まずは天井の補強を検討するか、軽量な照明器具を選びましょう。不安な場合は専門業者に相談してください。
5. その他、特殊な構造の天井
- 吹き抜け天井: 高すぎて手が届かない場合や、特殊な構造で安全な取り付けができない場合があります。
- 部分的に突出部や凹凸がある天井: 照明器具の設置面に、梁やエアコンなどの突起物、または装飾的な凹凸がある場合も取り付けが難しいです。
購入前に必ずチェック!自宅の天井確認ポイント
シーリングライトを購入する前に、以下の項目を必ずチェックしましょう。
- 天井は水平で平らか?
- 傾斜や船底、竿縁、格子などの凹凸がないか確認。
- 配線器具は設置されているか?
- 引掛シーリングや引掛埋込ローゼットがあるか。
- 配線器具は破損していないか?グラついていないか?
- 手で触ってみて、しっかりと固定されているか確認。
- 配線器具の「出しろ」は十分か?
- 購入予定のシーリングライトの取扱説明書で必要な出しろの長さを確認し、自宅のものを測ってみる。
- 天井の強度は十分か?
- 天井がたわんだり、きしんだりしないか確認。不安なら専門家に相談。
- シーリングライトを取り付けるスペースが十分にあるか?
- シーリングライトの直径より広い、約1m×1m程度の平らなスペースが配線器具の周りにあるか確認。
まとめ:安全と快適のために、事前確認を忘れずに!
シーリングライトは、お部屋の照明として非常に人気がありますが、取り付けができない天井のタイプがあることを理解しておくことが大切です。
せっかくの新しい照明を安全に、そして快適に使うためにも、購入前には必ず自宅の天井の状態をしっかりと確認しましょう。もし少しでも不安な点があれば、無理に自分で取り付けようとせず、電気工事店などの専門業者に相談してください。
適切な照明を選ぶことで、あなたのお部屋はもっと明るく、心地よい空間に変わるはずです。