1歳児の食中毒:予防と対処法を知って、守ってあげよう
1歳になるお子さんは、好奇心旺盛で何でも口にしようとしますよね。行動範囲も広がり、食事も離乳食から幼児食へとステップアップする時期です。しかし、この時期はまだ消化機能や免疫力が未発達なため、ちょっとしたことで食中毒にかかりやすいというリスクがあります。
もしものときに備えて、1歳児の食中毒について正しい知識を身につけておきましょう。
1. 1歳児の食中毒、主な原因と予防策
1歳児の食中毒は、大人の食中毒と原因となる菌やウイルス、そしてその重症化リスクが異なります。
主な原因
細菌: 腸管出血性大腸菌(O157)、サルモネラ菌、カンピロバクターなど
ウイルス: ノロウイルス、ロタウイルスなど
自然毒: ジャガイモの芽など
予防策の基本は「3つの原則」
食中毒予防の基本は、**「菌をつけない」「菌を増やさない」「菌をやっつける」**の3つです。
① 菌をつけない
手洗い: 食事の準備をする前、食事をさせる前、オムツ替えの後など、石鹸を使って丁寧に手を洗いましょう。
調理器具: 包丁やまな板は、肉や魚、野菜など食材ごとに使い分け、使用後はすぐに洗浄・消毒しましょう。
② 菌を増やさない
食品の保存: 買った食材はすぐに冷蔵庫や冷凍庫にしまいましょう。調理したものは、2時間以内に食べきるのが理想です。
解凍方法: 肉や魚を解凍する際は、冷蔵庫内で行うのが最も安全です。常温解凍は細菌が増殖する原因になります。
③ 菌をやっつける
加熱処理: 食材の中心部までしっかりと火を通しましょう。目安は**$$75^\circ\text{C}$$で1分以上**の加熱です。
再加熱: 作り置きした離乳食などを温め直す際も、中心部まで十分に加熱してください。
2. 食中毒かな?と思ったら…発症時の対処法
お子さんが食中毒にかかると、嘔吐や下痢、発熱などの症状が現れます。これらの症状は、体内に入った菌やウイルスを体外に出そうとする体の防御反応です。
一番大切なのは「脱水症状」の予防
嘔吐や下痢が続くと、体内の水分と電解質が失われ、脱水症状に陥りやすくなります。1歳児の脱水症状は重症化しやすいため、細心の注意が必要です。
経口補水液(OS-1など)を少量ずつ頻繁に与える
一気に飲ませると、また吐き戻してしまう可能性があります。スプーンやスポイトで少しずつ、こまめに与えましょう。
無理に食事を与えない
嘔吐や下痢がひどいときは、無理に食事をさせず、消化に良いものを少しずつ与えましょう。
自己判断で市販薬は使わない
下痢止めは、体内にいる病原菌を留めてしまい、かえって症状を悪化させる可能性があります。必ず医師の指示に従ってください。
3. こんなときはすぐに病院へ!
以下の症状が見られる場合は、すぐに小児科を受診するか、夜間であれば救急病院に連絡しましょう。
ぐったりしている、意識がもうろうとしている
唇や顔色が悪く、紫色になっている
嘔吐や下痢が止まらない
尿の回数が明らかに減っている、または全く出ていない
39℃以上の高熱が続いている
まとめ
1歳児の食中毒は、日頃の予防が何よりも大切です。しかし、万が一発症してしまった場合は、「脱水症状」の予防を第一に考え、適切な対処をしてください。
この情報は一般的なものであり、お子さんの状況によって適切な対処法は異なります。少しでも不安な点があれば、かかりつけの小児科医に相談し、指示を仰ぐようにしてくださいね。