👶 3歳児のアレルギー:症状と適切な対処法
3歳頃の子供のアレルギーは、食物アレルギーだけでなく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息など、多様な形で現れます。
ここでは、それぞれの症状の特徴と、家庭でできる適切な対処法、特に重症な場合の対応について解説します。
1. 食物アレルギー:症状とアナフィラキシーへの対処
食物アレルギーは、原因食物を摂取してから数分〜2時間以内に症状が出ることが多い(即時型アレルギー)ため、迅速な対応が必要です。
A. 症状のチェックリスト(アナフィラキシーを含む)
部位 | 症状の具体例(要注意) |
皮膚・粘膜 | じんましん(全身または一部)、皮膚の強いかゆみ、顔面・まぶた・唇の腫れ、口の中や喉の違和感 |
呼吸器 | 咳(持続する強い咳き込み)、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)、息苦しさ、声のかすれ |
消化器 | 繰り返す嘔吐、強い腹痛、下痢、吐き気 |
全身・神経 | 元気がない、ぐったりする、意識がもうろうとする、顔色が悪い、脈が速い/不規則 |
⚠️ 特に注意:複数の症状が急速に進行する場合(アナフィラキシー)
呼吸器症状(息苦しさ、ゼーゼー)や循環器症状(ぐったり、意識障害、脈の異常)など、2つ以上の臓器に強い症状が出ている場合は、命に関わるアナフィラキシーの可能性があります。
B. 緊急時の対処法
医師から「アドレナリン自己注射薬(エピペン)」を処方されている場合
直ちにエピペンを使用する。
注射部位は太ももの前外側です(服の上からでも注射可能です)。
すぐに救急車(119番)を要請する。
安静を保つ。
ぐったりしている場合: 仰向けにして足を30cmほど高くする。
吐き気・嘔吐がある場合: 吐物による窒息を防ぐため、顔と体を横向きにする。
呼吸が苦しい場合: 上半身を少し起こし、楽な姿勢をとらせる。
救急隊を待ちながら、可能であれば医師に指示された内服薬(抗ヒスタミン薬など)を飲ませる。
💡 普段の対応
自己判断で原因食物を完全に除去するのではなく、医師の指導のもと、必要最小限の除去に留め、食べられる量を特定するための食物経口負荷試験などを積極的に検討することが大切です。
2. アトピー性皮膚炎:皮膚のバリア機能のケア
3歳頃のアトピー性皮膚炎の症状は、肘や膝の裏、手首、足首などがカサカサして白っぽくなる傾向があります。
A. 症状の特徴
強いかゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返します。
かゆみがひどいと夜よく眠れず、睡眠不足から成長に影響が出る場合もあります。
B. 対処法
皮膚のバリア機能のサポート:
保湿: 入浴後など肌が清潔な状態のときに、保湿剤をたっぷりと塗り、乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を保ちます。
入浴: 泡で優しく撫でるように洗い、ゴシゴシこすらないようにします。
かゆみ対策:
かゆいからとかいてしまうと悪化の原因になるため、かゆみ止め(医師から処方されたもの)を塗る習慣をつけましょう。
衣服は吸湿性に優れた木綿など、刺激の少ない素材を選び、蒸れを防ぎます。
受診: 症状がひどい場合は、ステロイド外用薬などを使った治療が必要なため、必ず小児科や皮膚科を受診しましょう。
3. 気管支喘息とアレルギー性鼻炎:長期的な治療と環境整備
3歳頃は風邪をひいたときに「ゼーゼー」と喘鳴(ぜんめい)が出る「乳幼児喘息」の診断を受けることがあります。また、アレルギー性鼻炎も発症し始めます。
A. 気管支喘息の症状と対処
症状:
咳が長引く(夜中や明け方に悪化しやすい)。
息を吐くときに**「ゼーゼー」「ヒューヒュー」**と音がする(喘鳴)。
呼吸が苦しそうで、横になれないほど症状がひどくなることがある。
対処法:
刺激の回避: 冷たい乾いた空気、タバコの煙、揮発性の油(灯油など)、ダニなどの刺激を避けます。
薬物治療: 医師から処方された抗炎症薬(吸入ステロイドなど)や抗アレルギー薬を指示通り使用し、気道の慢性的な炎症を抑えることが治療の基本です。
B. アレルギー性鼻炎の症状と対処
症状: 頻繁なくしゃみ、水っぽい鼻水、鼻づまり、目や鼻、口の周辺を気にしていじる。鼻詰まりで眠れない場合もあります。
対処法:
アレルゲンの回避: ハウスダストやダニが主な原因の場合が多いです。こまめな掃除機がけ(布団も含む)、布製品(カーペット、ソファー)を避けるなどの環境整備が基本です。
薬物治療: 小さな子どもでも飲みやすいシロップやチュアブルの抗アレルギー薬が使われます。季節性アレルギー(花粉症)の場合は、症状が出る前に飲み始める「初期治療」が特に有効です。
アレルギー症状は日常生活に大きな影響を与えるため、少しでも気になる症状があれば、小児科またはアレルギー科の専門医に相談し、正確な診断と適切な治療方針を立てることが大切です。